日本大百科全書(ニッポニカ) 「海の砂漠化」の意味・わかりやすい解説
海の砂漠化
うみのさばくか
コンブ、ホンダワラなどすべての海藻が消滅して、海中の岩石や岩盤が白色の石灰藻(紅藻サンゴモ科エゾイシゴロモ)に覆われた状態を、北海道大学教授の松永勝彦が「海の砂漠化」とよんだ。海藻が消滅する現象を「磯焼け」というので「海の砂漠化」も広義の磯焼けに含まれるが、石灰藻を生じない磯焼けとは異なり、数十年あるいは数百年も回復しないかもしれない。砂漠化した岩石は石灰藻以外は無生物で、まれにウニなどがいても発育不全。1965年ころから、まず北海道にみられた現象で、現在長崎、高知、静岡などでも報告されている。原因のひとつには河川沿いや沿岸の広葉樹林の伐採があるらしいが、未解明の点が多い。
[永戸豊野]
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