海域公園地区(読み)かいいきこうえんちく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海域公園地区」の意味・わかりやすい解説

海域公園地区
かいいきこうえんちく

海洋景観を維持するため国立公園および国定公園の区域内に設けられる保護海域。1962年の第1回世界国立公園会議の勧告をうけて,1970年に自然公園法が改正されたのに伴い,10地区が「海中公園地区」に指定された。さらに 2009年の自然公園法改正で,名称が「海域公園地区」に改められるとともに,保護の対象が,従来の熱帯魚サンゴ礁海藻などを含む海中景観のみならず,潮間帯にある干潟岩礁,観光船等が航行する文化景観や陸域と一体となった美しい景観などに広がった。海域公園地区においては,指定区域内での動植物採取海面の埋め立てや海底の形状変更,汚水等の排出,指定区域内での動力船の使用などについて,国立公園の場合は環境大臣の,国定公園の場合は都道府県知事の許可がそれぞれ必要である。2023年3月31日現在,国立公園の 100地区,国定公園の 29地区が海域公園地区に指定されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android