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自然公園法 しぜんこうえんほう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自然公園法
しぜんこうえんほう

昭和32年法律161号。優れた自然の風景地を保護するとともに,その利用の増進をはかり,国民の保健,休養および教化に資するとともに,生物の多様性の確保に寄与することを目的として制定された法律。この法律により環境大臣が,日本を代表する傑出した自然の風景地 28ヵ所を国立公園に,国立公園に準じる優れた風景地 56ヵ所を国定公園に指定している(2011.4現在)。このほか,都道府県の風景を代表する風景地 313ヵ所を都道府県立自然公園として知事が指定し,また,1970年には「海のお花畑」といわれるような美しい海中の景観を維持するため,国立公園および国定公園の海面内に海中公園地区(→海域公園地区)を指定できることになり,2011年までに 82地区 160ヵ所が指定されている。このようにして指定された自然公園を適正に管理し国民の利用に供するために,公園内で建物を新築するような景観をそこなうおそれのある一定の行為は,許可を受けたり届け出をしなければ行なうことができない。国立公園には管理事務所が置かれ,その他の地域にも管理員を配置し,指導監督など現地管理にあたっている。1972年から国立公園の特別保護地区,第1種特別地域の民有地で公的に保護しなければ保護がはかれないものを買い上げることが可能になり,国定公園においても 1975年から,この制度が適用されている。公園管理に非営利組織 NPOが参加できるよう,2002年の改正で「公園管理団体」に指定できるようになった。2009年の改正で,海中公園地区が海域公園地区に改められるとともに,保護区域の対象が,従来の海中のみならず海鳥の休憩・生息地となる海上の岩礁や干潟を含む海域に広がった。また,国立公園などでの生態系の維持回復事業が創設された。

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デジタル大辞泉の解説

しぜんこうえん‐ほう〔シゼンコウヱンハフ〕【自然公園法】

国立公園国定公園・都道府県立自然公園について規定した法律。国立公園法にかわる法律として、昭和32年(1957)に制定された。平成21年(2009)5月、同法の目的に「生物の多様性の確保に寄与すること」を追加するとともに、それまで規制の対象外となっていた干潟岩礁を「海域公園」として指定し、生物の保護強化や開発を規制できる制度を盛り込んだ改正自然公園法が成立した。

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百科事典マイペディアの解説

自然公園法【しぜんこうえんほう】

すぐれた自然の風景地の保護と利用の増進を図り,国民の保健・休養と教化に資することを目的とする法律(1957年)。国立公園法(1931年)に代わって制定された。自然公園審議会の設置,国立公園・国定公園・都道府県立自然公園(以上3種を自然公園という)の指定,その保護と利用,公園の事業費用の負担などについて定める。
→関連項目国定公園国立公園自然保護

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自然公園法
しぜんこうえんほう

1931年(昭和6)国立公園法の制定によって、国の指定する自然公園として国立公園の制度が生まれた。1934年から瀬戸内海をはじめ12の国立公園が指定されたが、戦争のために実質的な進展はみられなかった。第二次世界大戦後、国立公園行政に対し、文化国家再建の一翼を担うものとして改めて関心が寄せられ、強力に推進を図ろうとする機運が生まれた。このような情勢のなかで、国立公園に関する規定の強化、国立公園に準ずる公園としての国定公園の制度の明確化、都道府県立自然公園に関する法的根拠の整備などの理由によって、新たな法体系が必要となり、国立公園法にかわるものとして1957年、自然公園法(昭和32年法律161号)が制定された。この法律によって、自然公園は国立公園、国定公園および都道府県立自然公園の三者からなると規定され、前二者は国の指定する公園、都道府県立自然公園は都道府県が条例によって指定し、国立公園に準じて風致維持のために規制を行うことができるものとされている。それによって、わが国の自然公園は総合的な体系化が図られることになり、都市公園法とあわせてわが国の公園全体を規律することになった。1960年代に入って環境問題がにわかに厳しくなり、72年に制定された自然環境保全法とともに、自然公園法は自然景観の保護のためにさらに重要な役割を担うことになった。[池ノ上容]
『鈴木敏・沢田晴委智郎著『公園の話』(1993・技報堂出版) ▽飯沼二郎・白幡洋三郎著『日本文化としての公園』(1993・八坂書房) ▽環境庁国立公園課監修『自然公園実務必携――平成9年版』(1997・第一法規出版)』

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世界大百科事典内の自然公園法の言及

【国立公園】より

…都道府県立自然公園は,都道府県民を野外休養にひきつける魅力のある地域を都道府県知事が指定する。以上の3公園が自然公園法(1957公布)に定める自然公園である。 日本の国立公園では,保護のための規制は次のように区分される(国定公園も同じ)。…

【自然公園】より

…自然の風景地をそのまま利用してつくられる公園で,都市公園に対比されるもの。日本では1957年に制定された自然公園法において,〈すぐれた自然の風景地を保護するとともに,その利用の増進をはかり,国民の保健,体育および教化に資することを目的として,一定の区域を画して指定される公園〉と規定され,国立公園,国定公園,都道府県立自然公園の3種が含められている。国によっては,サンクチュアリなど自然保護を目的として指定された区域をも自然公園と呼ぶことがあるが,一般には単なる自然の保護だけでなく,公衆の野外レクリエーションの場としての機能をも目ざして設置されている。…

【自然保護】より

…いずれにしても,自然保護の概念は,現在の日本では未成熟で,著しく多様性をもつ概念であることを認めざるをえない。 明治以降,自然に対する人の社会の干渉に制約を加える制度は早くから作られてきており,そのおもなものとしては,自然公園法(1931年公布の国立公園法を継承して57年に公布)による国立公園・国定公園・公立公園,文化財保護法(1919年公布の史跡名勝天然記念物保存法等を統合して50年に公布)による天然記念物,鳥獣保護法(略称。1918公布。…

※「自然公園法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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