最新 地学事典 「海洋微生物」の解説
かいようびせいぶつ
海洋微生物
marine microorganisms
海洋に生息する肉眼では観察できない微小な生物(細菌,古細菌,原生生物,菌類)のこと。海洋の全生物バイオマスの50%以上を海洋微生物が占めると見積もられ,物質循環を駆動する主要な生物群。海洋原核生物を指す言葉として用いられることもある。海洋原核生物は海水1mL中に1万〜100万細胞程度の密度で分布しており,細胞サイズは0.2µm〜2.0µm程度,ゲノムサイズは1Mbp(メガ塩基対)から6Mbp程度のものが多い。海洋原核生物の代謝は多様で有機化合物を利用する従属栄養生物の他に,太陽光をエネルギー源とする光合成独立栄養生物(シアノバクテリア)や光従属栄養生物(好気性光合成細菌,ロドプシン保有細菌),無機化合物(アンモニア,硫化水素など)をエネルギー源として炭素固定を行う化学合成独立栄養生物などがいる。海洋原核生物の99%以上は分離培養が困難なことから,群集構造や生物機能の解析は海水濾過フィルターから抽出したDNAを調べる手法が近年主流。
執筆者:吉澤 晋
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

