海船町(読み)かいせんちよう

日本歴史地名大系 「海船町」の解説

海船町
かいせんちよう

[現在地名]堺市桜之さくらの西にし二―三丁

金物屋かなものや町より西、海岸に至るまでの道。中世、三好氏の居館海船政所が置かれた。三好之長は阿波細川氏の家宰であったが、管領細川家に家督争いが生じると、主家細川澄元を助けて上洛。永正四年(一五〇七)澄元は管領を継承し、之長は政治の実権を握った。しかし翌五年、前将軍足利義稙や細川高国に追われ、以後長年月にわたり争いを繰返した。こうした争乱に先立つ同元年四月、之長は京都と領国阿波を結ぶ接点である堺の海船浜に居館を建設。その規模は東西三六〇歩、南北はその二倍で、中央に高楼を構えて鐘・太鼓・陣具を備え、常時族党に見張らせた。彼はこの居館を本城とし、尼崎あまがさき(現兵庫県尼崎市)岸和田きしわだ(現岸和田市)古市ふるいち(現羽曳野市)などを支城として堺周辺に勢力を広げた。建設は之長の子元長の代に完成し、大永元年(一五二一)三月将軍義稙の堺下向があり、同年、政所の号を賜った(海船政所記「全堺詳志」所引)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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