三好之長(読み)みよし・ゆきなが

朝日日本歴史人物事典 「三好之長」の解説

三好之長

没年:永正17.5.11(1520.5.27)
生年長禄2(1458)
室町時代の武将阿波半国守護代の三好式部少輔の子。阿波(徳島県)三好郡の国人で本拠は芝生城,守護細川成之の被官。筑前守。応仁の乱では主に従って上洛。文明17(1485)年8月,京都の徳政一揆の張本(首魁)として記録に登場する。文亀3(1503)年,成之の孫澄元が執政細川政元の猶子となるやその被官として永正3(1506)年2月入洛,摂津半国守護代となり,澄元軍の中核として活躍した。これを快く思わぬ山城守護代香西元長は,翌年6月政元を暗殺するとともに細川澄之を擁して澄元,之長を攻め,之長らはいったん近江甲賀に逃れたが,8月の政変で澄之,元長が敗死し澄元が惣領となると,之長はその家宰として絶大な権力を振るった。しかし阿波の田舎武士の専横に対しては抵抗も大きく,翌年細川高国を擁した畿内国人らにより澄元が近江に追放されると之長は没落する。その後再三再起を図るも果たさず,永正8年の船岡山,同17年の等持寺の戦に敗れ,百万遍で刑死した。戦国初期の典型的な国人型守護代として重要である。<参考文献>長江正一『三好長慶

(今谷明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三好之長」の解説

三好之長 みよし-ゆきなが

1458-1520 戦国時代の武将。
長禄(ちょうろく)2年生まれ。阿波(あわ)(徳島県)三好郡の国人。永正(えいしょう)3年(1506)管領細川氏の相続争い細川澄元擁立。翌4年澄元が家督をつぐと,その家宰として権力をふるった。5年大内義興(よしおき),細川高国に京都を追われ,17年再起をはかったが高国に敗北。同年5月11日処刑された。63歳。名はのち長輝(ながてる)。号は希雲。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の三好之長の言及

【三好氏】より

…承久の乱後,阿波守護となった小笠原長清は甲斐から阿波麻殖(おえ)保に移り,その10代後の義長のとき三好郡芝生(しぼう)(現,徳島県三野町)に住み,初めて三好氏を称した。応仁の乱ころには阿波屈指の国人に成長し,守護細川成之の被官として三好,美馬,板野3郡を支配,1506年(永正3)細川政元の猶子澄元の側近として上洛した三好之長(ゆきなが)は,やがて摂津守護代となり,澄元没落後はしばしば再起を企てたが20年刑死した。その孫元長は27年(大永7)細川晴元を擁して上洛,山城守護代となったが,やがて晴元に疎んぜられ,32年(天文1)本願寺の攻撃により自刃。…

※「三好之長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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