涅槃巌(読み)ねはんがん

日本歴史地名大系 「涅槃巌」の解説

涅槃巌
ねはんがん

[現在地名]山鹿市小原

菊池川の懸崖にあたる志々岐しじき台地の北斜面の一帯を涅槃巌という。この山の形に、釈尊涅槃像を見いだしたのは天文年中(一五三二―五五)、山鹿湯町金剛乗こんごうじよう寺の宥明法印と伝える。像は首から肩まで八〇メートル、肩から踵まで四〇〇メートル、高さは菊池川の水面より約八〇メートルで、月夜時には、すぐ下の龍宮淵に影がうつり像の全身が鮮やかにみえるという。このため一帯を涅槃瀬とよび、川沿いに繁る龍宮森を像の蓮台に見立て尊崇したと伝える。「国誌」に、古より当所で唱え来る和歌に「音に聞く肥後鍋田のねはん岩常に嵐の波に仏法」の一首があるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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