消火妨害罪(読み)ショウカボウガイザイ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「消火妨害罪」の意味・わかりやすい解説

消火妨害罪
しょうかぼうがいざい

火災の際、消火用の物を隠匿または損壊したり、その他の方法で消火を妨害した者は、1年以上10年以下の懲役に処せられる(刑法114条)。1995年(平成7)の刑法改正前は「鎮火妨害罪」と称した。放火失火など原因を問わず、火災が発生したり発生しそうな状況のもとで、消火用の器具や設備等を隠匿・損壊する場合のほか、消防職員、警備員、住居者などの消火活動を妨害するすべての場合を含む。ただし、火災の際、公務員から援助を求められたにもかかわらず、これに応じない場合は、軽犯罪法第1条8号により処罰されるにすぎない。

[名和鐵郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android