隠匿（読み）イントク

デジタル大辞泉

いん‐とく【隠匿】

［名］(スル)
１ 人目に触れないように隠しておくこと。「物資を隠匿する」
２ 隠れた悪事。心の中に持った罪悪。「隠匿心」
「―を為す者と雖も天忽ち之を知る」〈服部誠一・東京新繁昌記〉
[類語]秘匿・隠蔽・隠し立て・隠す・遮る・包み隠す・押し隠す・覆い隠す・覆う・晦くらます・潜める・忍ばせる・かくまう・ひた隠し

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

いん‐とく【隠匿・隠慝】

1. 〘 名詞 〙
2. ① ( ━する ) つつみ隠すこと。秘密にすること。多く、隠してはいけない物事を隠す場合に用いられる。
   1. [初出の実例]「利害を見て避就する事なく、隠慝曖昧の事を為ず」(出典：西国立志編（1870‐71）〈中村正直訳〉一三)
   2. [その他の文献]〔墨子‐尚賢下〕
3. ② ( 「いんどく」とも ) 人に知られていない隠れた悪事。心の中に持った罪悪。
   1. [初出の実例]「隠慝(インドク)の悪報は、悲みかへって強欲を、倍(ます)なかだちとなりしかば」(出典：読本・椿説弓張月（1807‐11）残)
   2. [その他の文献]〔春秋左伝‐僖公一五年〕
4. ③ ( ━する ) 法律用語。物を隠し、または人をかくまって、その所在を不明にすること。
   1. [初出の実例]「拾得物其の他本法の規定を準用する物件を隠匿し若は不正に処分したる者は」(出典：遺失物法（明治三二年）（1899）一六条)

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【隠匿】いんとく

かくす。〔呂覧、音初〕、賢不、君子小人、皆樂に形(あら)はれ、隱すべからず。

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出典　平凡社「普及版 字通」