淡々(読み)たんたん

精選版 日本国語大辞典 「淡々」の意味・読み・例文・類語

たん‐たん【淡淡・澹澹】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. あっさりしているさま。物の色・味・感じなどが淡泊なさま。ものにこだわらないさま。
    1. [初出の実例]「滴残松桂溥々露、落尽蘭苕淡々花」(出典:蕉堅藁(1403)山居十五首、次禅月韻)
    2. 「祖父母や父母から伝えきいた話を〈略〉淡々とわたくしに話してきかせる」(出典:婉という女(1960)〈大原富枝〉三)
    3. [その他の文献]〔劉向‐九歎〕
  3. 水などが静かに揺れ動くさま。
    1. [初出の実例]「五音争奏天韻、八徳澹々自貯」(出典:性霊集‐二(835頃)沙門勝道歴山水瑩玄珠碑)
    2. [その他の文献]〔張衡‐東京賦〕

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改訂新版 世界大百科事典 「淡々」の意味・わかりやすい解説

淡々 (たんたん)
生没年:1674-1761(延宝2-宝暦11)

江戸中期の俳人。本姓は曲淵。ふだんは松木姓を名のる。大坂の人。初号は因角。1700年(元禄13)冬江戸に移り,渭北と改号,不角と其角に従った。彼自身は,江戸で芭蕉にまみえ,呂国の号を得たと述べるが,信じるべきでない。04年(宝永1)に芭蕉のあとを慕って奥州に行脚し,《安達太郎根(あだたらね)》を編んだ。07年,其角没後淡々と改号,翌年秋に京に移住した。当初,京での俳諧活動はほとんどなく,江戸に出た機会に旧友と俳交を楽しむ程度であったが,15年(正徳5)《十友館》《六芸》を編んだころから京俳壇を地盤として熱心に活動を開始,16年(享保1)に鷲峰山中腹に半時庵を結び,翌年《にはくなふり》を世に問うた。34年大坂に帰り,ますます勢力を伸ばした。後世史家によって毀誉褒貶(きよほうへん)がはなはだしく,享保俳壇を低俗化させた一人とも評される。とくに,前句を無視した高点付句集を刊行し,連句の解体に拍車をかけたことは,俳諧史上重大な出来事として記憶されなければならない。〈はつ雪や波のとゞかぬ岩のうへ〉(《淡々発句集》)。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「淡々」の解説

淡々 たんたん

松木淡々(まつき-たんたん)

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