鷲峰山(読み)じゅぶせん

精選版 日本国語大辞典 「鷲峰山」の意味・読み・例文・類語

じゅぶ‐せん【鷲峰山】

  1. 京都府相楽郡和束町にある金胎寺(こんたいじ)山号

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日本歴史地名大系 「鷲峰山」の解説

鷲峰山
じゆぶせん

原山はらやま集落北方相楽郡と綴喜郡の境をなす山脈の一峰をいい、標高六八五メートル。山頂近くに役小角開基と伝える鷲峰山金胎こんたい寺がある。「太平記」巻二「天下怪異事」に、後醍醐天皇が都落ちして南都の東南院に入ったが

<資料は省略されています>

と、笠置かさぎ(現笠置町)へ向かう前に、当山に立ち寄ったことが記される。

山州名跡志」は「在瓶原卯辰一里余、和束庄原山、山勢南面称鷲峰山、天竺霊鷲山ニ類シテ、嶺廻立テ、如蓮華ナルノ謂也」とその名のいわれを記し、同山名所として「池多輪ちたりん妓楽ぎがく嶽・あしく嶽・不空ふくう嶽・釈迦しやか嶽・虚空蔵こくうざう岳・仙居せんきよ頭光づくわう滝・兜率とそつ滝・仙薬水せんやくすい宝生ほうしやう嶽・心経がん・阿弥陀嶽」をあげる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鷲峰山」の意味・わかりやすい解説

鷲峰山
じゅうぶざん

「じゅぶせん」ともいう。京都府南東部、綴喜(つづき)郡宇治田原町と相楽(そうらく)郡和束(わづか)町の境にある山。標高682メートル。山頂近くに、役小角(えんのおづぬ)の創基したと伝える金胎寺(こんたいじ)があり、修験(しゅげん)道場として知られ、境内は国史跡に指定されている。1331年(元弘1)後醍醐(ごだいご)天皇が笠置(かさぎ)への途中行幸され、天皇ゆかりの遺跡などもある。山頂から和束川を望む風光も優れる。

織田武雄

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世界大百科事典(旧版)内の鷲峰山の言及

【和束[町]】より

…人口5921(1995)。木津川の支流和束川の流域に位置し,町域の大部分が山地で,北に鷲峰山(じゆぶせん)(685m)がそびえる。古く聖武天皇の恭仁(くに)京造営時より,一帯の山は杣(そま)として利用されたものと考えられ,天皇の子安積(あさか)親王の死(744)を悼んだ大伴家持の歌に〈和豆香(わづか)そま山〉の名がみえる(《万葉集》巻三)。…

※「鷲峰山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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