日本大百科全書(ニッポニカ) 「淡水草」の意味・わかりやすい解説
淡水草
たんすいそう
河川や水田、および淡水の湖沼に生育する水生植物の総称で、多くは浅い静水中に生育する。しかし、水が清冽(せいれつ)な急流中にはカワゴケソウやバイカモ、流速の弱い河川にはイトモ、エビモ、ヒルムシロなどの沈水植物がみられる。沈水植物の茎や葉は細長で水中生活に適している。このほか、水深が浅く、生育期間が短い水田には、浮水性のウキクサやサンショウモ、抽水(ちゅうすい)性のオモダカやウリカワ、沈水性で一年生のトリゲモやホッスモなどがみられる。一方、湖沼の水辺は、夏季になると抽水植物のアシやマコモ、浮葉植物のアサザやヒシ、ジュンサイ、沈水植物のマツモ、フサモなどが多数群生する。
[大滝末男]
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