アサザ(読み)あさざ(英語表記)floating heart

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アサザ」の意味・わかりやすい解説

アサザ
あさざ / 阿佐佐
floating heart
[学] Nymphoides peltata (Gmel.) Kuntze

ミツガシワ科(APG分類:ミツガシワ科)の多年生の水草。葉は卵形または広楕円(こうだえん)形で、縁辺は波状の鋸歯(きょし)があり、葉柄はわずかに楯(たて)状につく。6~8月、水面より高く花柄を伸ばし、鮮黄色の花を日中開く。花冠は深く5裂し、裂片の縁に長毛がある。種子は扁平(へんぺい)で厚い翼ができ、縁辺に長い突起がある。名は、水の浅い所に生え、「浅浅菜」の転じたものといわれる。ハナジュンサイの名もある。宮城県以西の本州、四国、九州、沖縄の池や沼に生え、さらに、朝鮮半島、中国からユーラシア大陸の亜熱帯から熱帯に広く分布する。なおアサザ属は、花は節に束生し、多くは花弁に毛がある。世界に約50種、日本に3種が分布する。

[高橋秀男 2021年11月17日]


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