ウキクサ(読み)うきくさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウキクサ」の意味・わかりやすい解説

ウキクサ
うきくさ / 浮草
[学] Spirodela polyrhiza (L.) Schleid.

ウキクサ科(APG分類:サトイモ科)の浮水性の一年草カガミグサ、ナキモノグサなどの別名がある。植物体は単独かまたは数個が群体となる。葉状体は扁平(へんぺい)で広倒卵形、長さ3~10ミリメートル、幅3~8ミリメートル、表面は緑色裏面と縁は紫色を帯び、掌状の5~11脈がある。葉状体の裏面はほぼ中央に長さ5~8ミリメートルの根が10本ほどぶら下がってつく。出芽嚢(のう)は葉状体の基部両側に2個ある。花序は2個の雄花と1個の雌花からなり、膜状の包葉に囲まれる。日本全土を含む南アメリカ以外の世界中に分布する。

 アオウキクサLemna aoukikusa Beppu et Murata(L. perpusilla Torr.)はウキクサに似て小さく、葉状体は長さ3~6ミリメートル、幅2~3ミリメートル、1~3脈をもち、根は1本。北海道から本州に分布する。

[邑田 仁 2022年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウキクサ」の意味・わかりやすい解説

ウキクサ(浮草)
ウキクサ
Spirodela polyrhiza

サトイモ科の小型の多年草。世界のほぼ全域に広く分布し,日本でもいたるところ水田池沼に見られる。茎と葉の区別がなく,だるま形の葉状体は長さ 1cmくらい,光沢のある緑色で 7~9本の葉脈があり,裏面から 10本あまりの細い根を生じる。花はまれに生じ,夏,葉状体の縁に 1mmほどの無花被の花をつける。おしべ 1~2本,めしべ 1本があるだけである。秋に,径 2~3mmの越冬芽をつくり,冬は水底に沈んで越冬する。

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