深良村(読み)ふからむら

日本歴史地名大系 「深良村」の解説

深良村
ふからむら

[現在地名]裾野市深良

南流する黄瀬きせ川を挟んで御宿みしゆく村の東に位置する。北は神山こうやま(現御殿場市)、東は箱根はこね外輪山を境として相模国足柄下あしがらしも元箱根もとはこね(現神奈川県箱根町)黄瀬川支流で箱根外輪山を水源とする深良川が東西に長い村域を貫流している。なお東部の本郷を深良、西部を大森おおもりとよんでいたという(「駿河志料」など)。弘治二年(一五五六)から永禄元年(一五五八)頃に作成された臨済寺・善得寺等諸塔頭・諸末寺(臨済寺文書)に、臨済宗今泉いまいずみ(現富士市)善得ぜんとく寺の末寺として「深良興禅寺」とみえる。興禅こうぜん寺は現在は曹洞宗寺院であるが、永禄一二年一月一八日の臨済寺領・天沢寺領等書立土代(同文書)には同寺の名がみえないことから、揚天宗播によって臨済宗から曹洞宗に改宗されたのはこの間のこととみるのが妥当であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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