黄瀬川(読み)キセガワ

デジタル大辞泉 「黄瀬川」の意味・読み・例文・類語

きせ‐がわ〔‐がは〕【黄瀬川/木瀬川】

静岡県東部の川。御殿場付近に源を発して南流し、沼津市清水町との境で狩野かのに注ぐ。長さ約32キロ。下流にあった黄瀬川宿は治承4年(1180)源頼朝義経対面の地。

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精選版 日本国語大辞典 「黄瀬川」の意味・読み・例文・類語

きせ‐がわ‥がは【黄瀬川】

  1. 静岡県北東部、富士山東側の斜面に発し、愛鷹山箱根火山との間を南下して、沼津市で狩野川に合流する川。川沿いの谷は古来箱根路をさける東海道別路木瀬川

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改訂新版 世界大百科事典 「黄瀬川」の意味・わかりやすい解説

黄瀬川 (きせがわ)

静岡県東部の川。富士山東麓の湧水を集め,箱根火山西斜面と愛鷹(あしたか)火山東斜面とのすそ合いを流下し,御殿場市街地から南流して沼津市東部の木瀬川で狩野川に合流する。幹川流路延長30km,全流域面積275km2。富士山から噴出した三島溶岩流に沿うため,浸透による伏流水が多く,五竜滝,鮎壼滝などの遷急点をもつ。芦ノ湖の水をトンネルで導水し,支流の深良川を流下する箱根用水によって中下流の水田化が進んだ。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄瀬川」の意味・わかりやすい解説

黄瀬川
きせがわ

静岡県東部、御殿場市(ごてんばし)街地周辺の湧水(ゆうすい)を集めて南流し、箱根火山と富士・愛鷹(あしたか)火山との間を南下し狩野川(かのがわ)に合流する川。狩野川の一支流。延長約30キロメートル。流域面積275平方キロメートル。御殿場市街地に北流する鮎沢川(あゆさわがわ)との分水界をもつ。富士山麓(さんろく)の湧水、箱根西斜面、愛鷹山地からの水を集め、おもな支流に深良(ふから)川、佐野川、桃沢(ももさわ)川などがある。下流部は扇状地を形成して田方(たがた)平野の一部を占める。古駅の木瀬川宿(黄瀬川宿、沼津市)や、1180年(治承4)源頼朝(よりとも)と義経(よしつね)の「木瀬川の対面」など歴史的にも有名である。中流部は、三島溶岩流上に谷筋が位置するために河床に溶岩が現れ、伏流水も多くなるが、五竜ノ滝、鮎壺(あゆつぼ)ノ滝などもみられる。

北川光雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黄瀬川」の意味・わかりやすい解説

黄瀬川
きせがわ

静岡県東部,箱根外輪山と富士山との間に源を発し,南流して狩野川に注ぐ川。全長約 30km。流域には三島溶岩流の岩層から成る河岸段丘があり,鮎壺の滝,五竜の滝,牛が淵の滝など多くの滝や早瀬がある。中流で芦ノ湖からの箱根用水 (深良川) を入れ灌漑用水として利用。下流部には柿田川など豊富な湧水地があり,この湧水を利用した製紙業が盛んなほか,毛織物,自動車部品など大小工場が密集し工業地域をなしている。狩野川との合流点にある黄瀬川はかつて黄瀬川宿として栄え,鎌倉時代源頼朝,義経兄弟対面の地で知られている。丹那トンネル開通以前,東海道本線は現在の JR御殿場線で黄瀬川の河谷を通った。

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