清峰寺(読み)せいほうじ

日本歴史地名大系 「清峰寺」の解説

清峰寺
せいほうじ

[現在地名]国府町鶴巣 大洞

荒城あらき川右岸、鶴巣つるすの東方山麓にある。安房山と号し、曹洞宗。本尊千手観音益田ました萩原はぎわら上呂の久津じようろのくづ八幡宮蔵の大般若波羅蜜多経の奥書に、正和二年(一三一三)正月五日「飛騨国於清峰寺長光院書写 執筆天台末学道学坊願主直円」「飛州清峰寺於長谷院西方 正和二年卯月上旬書写仕了 執筆性円」とある。奥書にみえる清峰寺は天台宗で、現在の国府町山本やまもと・鶴巣・半田はんだ桐谷きりだに古川ふるかわ上気多かみきたにわたる安峰あんぽう山中に七堂伽藍を有していた大寺院であった。上宝かみたから荒原あらはらの白山神社蔵の嘉吉元年(一四四一)の鰐口銘には「清峰寺 白山権現」とある。「飛騨編年史要」応永二六年(一四一九)一二月一日条に「天台座主義円、末寺飛騨国清滝寺奉行を宮内卿大僧都尋祐に給す、按に清滝は清峰の誤記なり」とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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