清河寺(読み)せいがじ

日本歴史地名大系 「清河寺」の解説

清河寺
せいがじ

[現在地名]大宮市清河寺

清河寺せいがんじ集落の中央に位置する臨済宗円覚寺派の古刹。山号は大龍山、本尊阿弥陀如来縁起によれば、当寺は延文五年(一三六〇)鎌倉公方足利基氏が兄竹若(足利尊氏長子)菩提を弔うために鎌倉大慶たいけい寺に居住していた傑翁是英開山として招き、建立された。のち傑翁は鎌倉五山第四位浄智じようち寺に住し、同第二位円覚寺の三八世に昇住している。永和四年(一三七八)三月一二日に没し、仏慧禅師の号を勅諡された(扶桑五山記・延宝伝灯録)。当寺には永禄元年(一五五八)に書かれた縁起が残されており、それによれば基氏から寺領を寄進されたことを伝えるが、現在確認できるのは基氏の曾孫足利持氏が発した寄進状(寺蔵文書)である。応永二九年(一四二二)一一月二一日付で持氏は、先に長井駿河三郎実基およびその叔父紹旭蔵主が清河寺に寄進した「足立郡上内野郷内田壱町弐段、在家壱宇、敷地等」と「同郷内田壱町弐段、佐地川在家壱宇」を安堵している。また併せて持氏は同日付で、武蔵守護安房四郎(上杉憲実)に対し寺領の寄進を速やかに履行するよう下知している(「足利持氏御判御教書」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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