渡者(読み)わたりもの

精選版 日本国語大辞典 「渡者」の意味・読み・例文・類語

わたり‐もの【渡者】

〘名〙
① 諸所を渡り歩き、主人を替えて仕える者。
承久記(1240頃か)上「侍はわたり物、草の靡きにこそよれ」
一定職業や目的なしに旅をして歩く人。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一一「お前様們(まへさんたち)は〈略〉渡者(ワタリモノ)とは違って堅さうにも見えるから」
重罪を犯し、見せしめのため市中を引きまわされる者。
咄本・当世手打笑(1681)四「あのお人がとがをなされたとて、わたり者に成ものか」
④ 他の土地から移って来て住みついた人。他国者。よそもの。
※雑俳・川柳評万句合‐安永七(1778)桜三「わたりもの置て御門(みかど)はすでの事」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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