渡辺寛(読み)ワタナベ ヒロシ

20世紀日本人名事典 「渡辺寛」の解説

渡辺 寛
ワタナベ ヒロシ

明治〜昭和期の養蜂



生年
明治17(1884)年7月12日

没年
昭和50(1975)年5月5日

出生地
岐阜県羽島郡岐南町

学歴〔年〕
高等小学校卒

主な受賞名〔年〕
黄綬褒章〔昭和33年〕

経歴
明治33年16歳で笠松銀行に入り、同年初めて蜜蜂を飼う。6年後22歳のとき本格的に養蜂で身を立てるため銀行を退職。以来、調査研究と失敗を重ねながら養蜂事業に改良・改革を加え、その絶大な功績によって日本近代養蜂の父と呼ばれるに至る。数限りない業績のうちでも、(1)在来種の蜂に代えて“根性”のある西洋種を定着させたこと、(2)蜂の天敵たるスズメバチの、決定版ともいうべき捕獲器の完成、(3)季節に応じて全国に花を追って移動する転地養蜂の確立、などが特に大きく評価された。その他月刊誌「養蜂之友」を創刊して研究者・養蜂業者への啓蒙にもつくした。著書に養蜂家のバイブルともされ大学の教科書にも使われる「近代養蜂」のほか、「実験五十年 養蜂経営の実際」「養蜂年中鑑」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「渡辺寛」の解説

渡辺寛 わたなべ-ひろし

1884-1975 明治-昭和時代の実業家
明治17年7月17日生まれ。40年生地の岐阜県八剣村(岐南町)で養蜂の事業化をはじめ,42年月刊誌「養蜂之友」を創刊。大正2年長野県への転地養蜂を創案,採蜜量を増加させた。昭和16年日本蜂業を設立。昭和50年5月5日死去。90歳。著作に「実利養蜂の経営」,「近代養蜂」(共著)など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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