日本歴史地名大系 「湯峯温泉」の解説
湯峯温泉
ゆのみねおんせん
熊野本宮大社の南西、
温泉の歴史は古く、成務天皇の時、熊野の国造大阿刀足尼の発見と伝え、「本宮の湯」ともいい、「続風土記」は「長寛勘文」所引熊野権現御垂跡縁起に記す「本宮大湯原」にあたるとする。熊野詣の隆盛に伴いしだいに知られるようになり、熊野三山の参詣を済ませて本宮に着いた上皇や貴族は、本宮参拝の後に、連日の疲れをいやすため湯峯に入湯した。「中右記」天仁二年(一一〇九)一一月一日条に「未刻行向湯峯御前西山也、坂行程十余町也、於湯屋浴之、谷底温湯寒水並出、誠希有之事也」とあり、「浴此湯人万病消除者」と述べている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報