硫黄泉(読み)イオウセン

デジタル大辞泉 「硫黄泉」の意味・読み・例文・類語

いおう‐せん〔いわう‐〕【硫黄泉】

泉質の一。硫黄分を多く含む温泉広義には硫化水素を含むものもいう。皮膚病神経痛に効く。草津温泉日光湯元温泉など。

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精選版 日本国語大辞典 「硫黄泉」の意味・読み・例文・類語

いおう‐せんいわう‥【硫黄泉】

  1. 〘 名詞 〙 硫化水素イオンを含む鉱泉狭義には遊離硫化水素を含まないものをいい、含むものを硫化水素泉といって区別する。浴用ほかリウマチ・神経痛・糖尿病治療薬剤などに利用する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫黄泉」の意味・わかりやすい解説

硫黄泉
いおうせん

硫黄分を含む温泉。狭義には単純硫黄泉、含硫黄ナトリウム・塩化物泉(含食塩硫黄泉)、含硫黄ナトリウム・塩化物・炭酸水素塩泉(含食塩重曹硫黄泉)をいい、広義には単純硫黄泉硫化水素型(硫化水素泉)、酸性含硫黄硫酸塩泉硫化水素型(酸性硫化水素泉)なども含まれる。硫黄は、コロイド硫黄、硫化水素ガスとして含まれるもののほか、硫黄イオン、水硫(すいりゅう)イオン、チオ硫酸イオン、まれにポリチオン酸イオンとして含まれることがある。硫化水素を多く含む温泉では湧出(ゆうしゅつ)後に酸化され、硫黄を析出するがこれが硫黄華である。硫黄泉の分布は、日本では温泉の約10%あまりで、皮膚病、神経痛、外傷後遺症などの治療に効能ありとされ、群馬県草津温泉、万座温泉、長野県の野沢温泉宮崎県のえびの高原温泉などが知られる。

[綿抜邦彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「硫黄泉」の意味・わかりやすい解説

硫黄泉
いおうせん
sulphur spring

水硫イオン,チオ硫酸イオンあるいは硫化水素を含む鉱泉。このうち遊離炭酸や遊離硫化水素を含むものを特に硫化水素泉といい,これを含まないものを狭義の硫黄泉という。日本に数多く,代表的なものは箱根湯本 (神奈川県) ,日光湯本 (栃木県) ,万座 (群馬県) ,野沢 (長野県) ,えびの (宮崎県) など。浴用として慢性皮膚病,リウマチ,神経痛,動脈硬化,糖尿病などに効果がある。

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