湯布院町(読み)ゆふいんちよう

日本歴史地名大系 「湯布院町」の解説

湯布院町
ゆふいんちよう

面積:一二七・七七平方キロ(境界未定)

県のほぼ中央部に位置し、北は宇佐郡安心院あじむ町、東は別府市、南は大分郡庄内しようない町、西は玖珠くす郡玖珠町・九重ここのえ町。周囲を標高一五八三・三メートルの由布ゆふ(豊後富士)をはじめじようヶ岳(一一六七・八メートル)福万ふくま(一二三五・九メートル)などの山々に囲まれた盆地と、由布岳の北側に位置する塚原つかわら高原や、西にそびえる野稲のいね(一〇三七・六メートル)とその東側に広がる緩やかな傾斜をもった広大な原野からなる。町内には塚原由布院ゆふいん湯平ゆのひらの温泉群があり,国民保養温泉地として厚生省の指定を受けており、由布岳山麓を走る大分自動車道・別府阿蘇道路沿線は阿蘇くじゅう国立公園指定地である。交通機関はJR久大本線が盆地を大きく迂回し、大分川沿いに南下している。また国道二一〇号が日田・玖珠方面から九重町との境の水分みずわけ峠を越えて盆地の西側を通り、JRと並行しながら大分川沿いを南下し大分市に連絡する。さらに県道別府―湯布院線が由布岳の南側峠を越えて盆地に入り、盆地の北側を東西に走り水分峠を通り野稲岳の東麓を南下する。

湯布院盆地は太古の昔、湖であったという伝説がある。大字川北かわきたたにに鎮座する宇奈岐日女うなぐひめ神社(別名六所宮)大神は、力自慢の道臣命(蹴裂権現)に命じて湖壁を蹴破らせ田畑を開いたという。伝説はさておき、盆地の内外には縄文時代からの遺跡があり、宇奈岐日女神社は六国史に神階授与の記事があり、「延喜式」神名帳にも登載されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報