湿板(読み)シツバン

デジタル大辞泉 「湿板」の意味・読み・例文・類語

しつ‐ばん【湿板】

写真感光板の一。コロジオン沃化物ようかぶつとの混合液ガラス板に塗り、これを硝酸銀の容液に浸したもの。乾かないうち撮影に使う。乾板が発明される前のもの。

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精選版 日本国語大辞典 「湿板」の意味・読み・例文・類語

しつ‐ばん【湿板】

  1. 〘 名詞 〙 写真用感光材の一種。コロジオン溶液と沃化銀を混合してガラス板に塗布し、硝酸銀溶液中にひたし、乾燥しないうちにカメラに入れ、撮影するもの。初期の写真や写真製版に用いられた。
    1. [初出の実例]「湿板用銀液」(出典:桑田写真要鑑(1901)〈桑田正三郎〉調合定法及必要処方)

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世界大百科事典(旧版)内の湿板の言及

【湿板写真】より

…〈しつばん〉ともコロジオン(ニトロセルロースをエーテルに溶解したもの)を乳剤の結合剤とし,これにヨウ化銀微結晶を分散してコロジオン写真乳剤を作る。この乳剤をガラス板に塗布し,余滴を落として乾かさない(このことから湿板の名がある)でカメラに装置して写真を撮影する。このため,湿板写真では撮影者が使用直前にコロジオン乳剤を調合して感光材料を準備する必要がある。…

※「湿板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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