写真製版(読み)しゃしんせいはん(英語表記)photolithography

翻訳|photolithography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

写真製版
しゃしんせいはん
photolithography

印刷用の版を写真技術を用いてつくる方式。金属板に二クロム酸やジアゾ化合物を含むゼラチン,ポリビニルアルコールなどの感光膜をつくり,画像を焼き付け,現像して感光部が硬膜像になるようにする。未感光部を腐食液で溶かすと,インキの付着すべき画線部分が隆起している凸版ができる。明暗の反転したフィルムを使うと,画線部分が掘下げられた凹版ができる。腐食液を使わないでも,感光部だけが油性の印刷インキを受付け,未感光部は親水性で受付けないことを利用すれば平版印刷となる。写真などの明暗の差のあるものには網目スクリーンを用いる網目凸版 (→網版 ) が利用される。

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百科事典マイペディアの解説

写真製版【しゃしんせいはん】

写真技術を応用して印刷用の版を作製する方法。原稿を指定寸法に撮影し,スクリーンを用いて網ネガまたは網ポジを得,感光液を塗った版材にそれを焼きつけて感光膜の画像をつくる。凸版の場合は画像以外の部分を腐食し,オフセット印刷の場合は画像以外の部分を親水性にして,インキがつかないようにする。グラビア印刷ではあらかじめグラビアスクリーンを焼きつけた版材に,網点化していない画像を焼きつけ,画像部分を腐食する。最も多用されるオフセット印刷では,ネガからもポジからも焼きつけられるPS版(メーカーから感光液塗布の板が供給されるもの)が普及している。→原色版電子製版
→関連項目カラースキャナーコロタイプ写真植字製版多色印刷

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大辞林 第三版の解説

しゃしんせいはん【写真製版】

写真を応用して印刷に用いる版を製作する方法の総称。凸版・平版・凹版・孔版のいずれにも応用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

写真製版
しゃしんせいはん
photoengravingphotolithography

写真の原理を利用して印刷用の版をつくること。版式は凸版、平版、凹版、孔版いずれにも応用される。凸版の場合は線画凸版や写真版、平版の場合は卵白平版(感光剤として卵の白身に重クロム酸などを加えた液を、基材に塗って版とするもの)やPS版、コロタイプ、凹版の場合はグラビア、孔版の場合は写真孔版などがある。各版式によって工程は幾分異なるが、文字や写真、あるいは絵画の原稿を撮影し、ネガチブかポジチブをつくり、あらかじめ感光液を塗った金属板に焼き付けて画像をつくる。凸版形式にする場合は画像部以外の部分を腐食して低くする。平版形式の場合は画像部に脂肪性インキを受け付ける性質にし、凹版(グラビア)の場合は画像部分を腐食してインキが詰まるように低くする。このような技術は19世紀の中ごろから末にかけて写真術の発達とともにしだいに完成されたが、とくに金属板に塗布する感光液である重クロム酸コロイドの発見が大きな役割を演じた。1980年代に入って、広義の写真製版のうち、焼付け用のネガチブやポジチブをつくる前段階にはエレクトロニクスが利用されるようになり、後段階の焼付け処理以後では、重クロム酸コロイドの感光液が感光性樹脂(ポリケイ皮酸ビニルなど)にかわった。また、写真製版の技術は微小な集積回路製造に応用されている。[山本隆太郎]
『光陽社編『演習写真製版の基礎知識1~6』(1976~1981・印刷学会出版部)』

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世界大百科事典内の写真製版の言及

【製版】より

…日本ではあまり行われないが,原版から電型(鉛,蠟,プラスチックなどで原版から型取りした凹凸反対になっている型)をとり,電気分解を利用して電型の上に金属を電着させて作る電鋳版(電気版,電胎版ともいう)も機械的な製版方法といえる。
[写真的方法による製版]
 いわゆる写真製版photomechanical processと呼ばれているもので,活版とその複製版を除いてほとんどがこの方法によっている。ひとくちにいえば光に感じて性質を変える物質をうまく利用して版を作るのが写真製版であって,4版式,つまり凸版,平版,凹版,孔版いずれにも利用される。…

※「写真製版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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