朝日日本歴史人物事典 「源仲綱」の解説
源仲綱
生年:大治1(1126)
平安末期の武将,歌人。頼政の嫡男。母は源斉頼の娘。正五位下。隠岐守,伊豆守。治承4(1180)年5月,父頼政と共に以仁王を擁して平家討滅の兵を挙げた。そのとき,諸国の源氏に起兵を呼びかけた以仁王の令旨の奉者を務めた。『平家物語』は,頼政一族の挙兵の動機のひとつを,平宗盛が仲綱の名馬を強奪したためとし,その話を詳述する。しかし,この挙兵は失敗し,仲綱は宇治平等院で奮戦のすえ自害。歌人としては,貴族歌壇の常連で,右大臣九条兼実家の歌会・歌合などにも出席した。藤原俊成らにも評価され,『千載和歌集』に6首採られている。<参考文献>井上宗雄『平安後期歌人伝の研究』
(田中文英)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報