朝日日本歴史人物事典 「源成信」の解説
源成信
生年:天元2(979)
平安中期の官人。従四位上。賜姓源氏。致平親王と左大臣源雅信の娘の子。村上天皇の孫。母の姉妹が藤原道長の妻という関係からおじ道長の猶子となった。『権記』の長保3(1001)年2月4日条によると,権右中将兼備中守であった成信は朝儀を立ち聞きして自分の未熟さを知り,悲観のあまり右大臣藤原顕光の子重家と共に園城寺(三井寺)で出家した。中宮定子をたびたび訪れた様子が『枕草子』に描かれている。清少納言は成信を容貌,気性ともに優美と讃えている。人の声を聞き覚えるのが得意で,同じ部屋の女房の声なども簡単に聞き分けたという。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報