源氏香文(読み)げんじこうもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「源氏香文」の意味・わかりやすい解説

源氏香文
げんじこうもん

香合一種である源氏香符号文様にしたもの。この符号は、正方形を5本の縦線に区画し、その上方を離したり続けたりして、形を52種に区別したもので、源氏54帖(じょう)中、第1帖の「桐壺(きりつぼ)」と最終の「夢の浮橋」を除く各帖の名をそれぞれに当てはめている。おもに江戸時代の小袖模様に使用された。その単純にして鮮明な幾何学的形式が、江戸時代の人々に喜ばれた。そのうち、「花散里(はなちるさと)」と「初音(はつね)」は家紋としても用いられている。

村元雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android