滝越
たきごし
[現在地名]王滝村滝越
王滝川の上流の平家の落人集落の伝承をもつ隔絶した小集落で、王滝川にかかる大滝のすぐ上の小盆地にあることから滝越の地名が生じたといわれている。天保九年(一八三八)の「木曾巡行記」には「滝越といふ郷は民屋十四五軒あり、人物男女分りがたく、ただ髪の長きをもつて女とす。歯をそめず眉をそらず、農業山
は女の業にて男は杣・木挽をいたし、年内多く他所へ出る故、常に女ばかりにて言語も通ぜずこと多く、蕎麦稗を食とし、冬春は雪深く壱丈余もあり」とその辺境ぶりを述べている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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