瀬田石村(読み)せたいしむら

日本歴史地名大系 「瀬田石村」の解説

瀬田石村
せたいしむら

[現在地名]鹿角市十和田瀬田石とわだせたいし 瀬田石

小坂こさか川と大湯おおゆ川が合流する西側に位置、南東石野いしの村。毛馬内けまないからの道が石野・松山まつやまに抜ける。西は山地が広がり秋田藩領に接した。享保七年(一七二二)の知行小高百姓年貢帳(十和田図書館蔵)に村名が出る。

近世初期の「鹿角郡由来記」に「瀬田石太郎左衛門領知 館有 本名奈良」とあり、中世後期には開村していた。集落から西に向かう山道入口付近に中世の館跡がある。台地の傾斜面を利用し、東西に数条の空堀を施した複郭状の館で、西側に三―四段の帯郭があり、東側は急な斜面をもち自然の防御をなす。比高は一五―二〇メートル、空堀は幅およそ一〇メートル、深さは現状で三―四メートル、小館こだて大坊館だいぼうだてなどの地名を残す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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