朝日日本歴史人物事典 「灰屋紹由」の解説
灰屋紹由
生年:生年不詳
江戸前期の京都の富商で文化人。姓は佐野氏。灰屋は屋号。初名は承由。佐野氏は南北期末期の永和(1375~79)ごろから京都で藍染に使用する紺灰を扱う業を営む。江戸初期には豪商として茶屋,角倉,後藤などと肩を並べるようになった。紹由は風流の道を好み,連歌を里村紹巴から学んだ。紹巴の後継者里村昌琢とも親しく,堂上の連歌会にも列した。書,茶の湯や蹴鞠をよくし,桃山時代からの華美な風潮にのり,風流三昧の生活を送った。千利休の弟子古田織部とも親交があった。子の紹益と同様,近世初期の代表的な上層町衆である。墓は京都の立本寺にある。<参考文献>『京都の歴史』4巻
(安岡重明)
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