灰闌記(読み)かいらんき(その他表記)Huī lán jì

改訂新版 世界大百科事典 「灰闌記」の意味・わかりやすい解説

灰闌記 (かいらんき)
Huī lán jì

中国,元代の戯曲。李行甫作。宋の名判官包拯(ほうじよう)の裁判劇の一つ。役人と姦通する長者の正妻が夫を毒殺し,その罪を妾に負わせたうえ,妾腹の男児をわが子と偽って財産の独占を図る事件を裁く。怠惰ながら率直で善良な妾の兄をからませて,庶民の真実をこまかに描いた傑作。そのクライマックスには,石灰で描いた枠内でふたりの母に幼児を争奪させ,先に手を放したほうを実母と認める著名な場をおくが,これは古くから世界の数ヵ国の説話にみられ,この劇ないし講釈にもとづく小説《包公案》を通じて日本にも輸入され,大岡政談中に採り入れられている。
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