炉穴(読み)ロアナ

デジタル大辞泉 「炉穴」の意味・読み・例文・類語

ろ‐あな【炉穴】

縄文時代早期の遺構の一。内部に焼かれた土が残る穴で、調理施設として使われていたとされる。長径1.5メートル前後、深さ50センチ前後の楕円形標準とし、竪穴たてあな状など、さまざまな形態がある。ろけつ。

ろ‐けつ【炉穴】

ろあな

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「炉穴」の意味・わかりやすい解説

炉穴
ろあな

穴を掘り込んで焼土のある縄文時代早期の遺構。東日本の撚糸文(よりいともん)土器の時期に50センチメートル前後の穴を掘り込んで焼土のある炉穴が出現し、早期後半の貝殻条痕文(かいがらじょうこんもん)土器の時期には東北地方から九州地方まで盛んにみられる。長径1.5メートル前後、深さ50センチメートルくらいの楕円(だえん)形の穴で、一端に焼土の炉部のある形態を標準とし、炉部が放射状に広がって重複する形態や、より広い竪穴(たてあな)状の形など各種ある。千葉県東間部多(とうかんべた)遺跡のような炉穴150以上が群在する例や、炉のない住居址(し)と炉穴とで構成される例が多いが、炉をもつ住居と共伴する場合もある。炉穴は調理施設説が有力で、一時的居住施設説、土器焼成場説もあるが、早期のみで消滅する理由など問題点は多い。通称ファイヤー・ピット。

[十菱駿武]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「炉穴」の意味・わかりやすい解説

炉穴
ろあな

古代の遺跡で,焼土,灰などがあり,炉であったと考えられる穴。縄文時代早期の茅山式土器を伴う遺跡では,屋外に炉穴がある。千葉県船橋市飛ノ台貝塚では,長軸1~2m前後,短軸 0.7~1m前後の穴があり,内部に灰が認められた。

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