焼土(読み)ヤキツチ

デジタル大辞泉 「焼土」の意味・読み・例文・類語

やき‐つち【焼(き)土】

焼いた土。
木片などを埴土しょくどとともに焼いたもの。肥料にする。

しょう‐ど〔セウ‐〕【焼土】

地質改良消毒などのために土壌を焼くこと。

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精選版 日本国語大辞典 「焼土」の意味・読み・例文・類語

しょう‐どセウ‥【焼土】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 土壌中の有効成分増加、有害物の不活性化、有害微生物の死滅などを目的として土壌を焼くこと。一般には、円錐状に土を積み、雑木や藁を燃料とし、摂氏七〇~一四〇度で焼く。主に苗床の覆土用。
  3. しょうど(焦土)

やけ‐つち【焼土】

  1. 〘 名詞 〙 焼けた土。火を受けた土。火山噴火などで流出した土。また、焼いた土。珪藻土などを焼いたものは漆の下地に用いる。
    1. [初出の実例]「御斗帳一具。〈略〉合漆料焼土一斗四升」(出典延喜式(927)一七)

やき‐つち【焼土】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 焼いた土。
  3. 肥料とするため、木ぎれ、枯草などを埴土(しょくど)とともに焼いたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼土」の意味・わかりやすい解説

焼土
しょうど

植物を栽培する場合、その用土が保有する病害虫からの被害を予防するために用いる土壌消毒の一手法であり、また火力で加熱した用土をさす。とくに野菜苗、花苗、特殊作物の苗立枯病、ネマトーダなどに侵されやすいものを播種(はしゅ)あるいは移植するときの用土に欠くことのできない消毒作業である。病害虫駆除以外に雑草種子の死滅効果もある。

 焼土は次のようにしてつくる。かまどの上にドラム缶を二つ割りにしたものをのせ、あらかじめ肥料、腐葉土などで調合した用土(床土、培養土)を半分ほどそこに入れて、下から加熱する。熱が強くなると用土中の有機物(腐葉土など)が灰化するので、散水し、多くの水蒸気を出しながら攪拌(かくはん)し、熱が平均して回るようにする。加熱温度が80℃以上になったらぬれ莚(むしろ)などで覆って、弱火で30分以上保温すると、病害虫、雑草の種子などが死滅した用土となる。

 そのほか、土壌消毒の方法には、薬品を用いてのガス燻蒸(くんじょう)消毒や、蒸気を用いた蒸気消毒などがある。

[堀 保男]

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