改訂新版 世界大百科事典 「為替プレミアム」の意味・わかりやすい解説
為替プレミアム (かわせプレミアム)
通常,先物為替相場に関して,外貨の先物相場がその直物(じきもの)相場より価値が高い場合をプレミアムpremium(打歩)といい,その逆をディスカウントdiscount(割引)という。また,両者の為替相場が同一である場合は,直先(じきさき)フラットflat,パーparあるいはイーブンevenという。たとえば,円・ドル相場について直物相場(直物為替・先物為替)が1米ドル=235.60円で,3ヵ月物の先物相場が1米ドル=237.50円のとき,米ドルは円に対して先高(プレミアム)の状態にあるという。先物為替相場は,1米ドル=237.50円のように実数で表す場合のほか,直物相場と先物相場の開き(spreadまたはforward marginという。〈直先スプレッド〉の項参照)を¥1.90prem.(または単にp.。ディスカウントの場合はdisc.またはd.)のように表す。このほか,外国為替相場でプレミアム(ないしディスカウント)という場合,たとえば米ドルとカナダ・ドルのように同一通貨系統の間の交換比率を示す際に,その間の直物相場について通貨単位の価値が高いときに(たとえば100米ドル=105カナダ・ドル),米ドルはカナダ・ドルに対しプレミアムという。また,固定為替相場制において,実際の直物相場が基準相場(為替平価)より価値が高い場合,これをプレミアムと呼ぶときがある。
→プレミアム
執筆者:河西 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報