打歩(読み)ウチブ

デジタル大辞泉 「打歩」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぶ【打歩】

外国為替相場で、先物さきもの相場直物じきもの相場よりも高い場合の差額プレミアム。だぶ。
[補説]かつては、株式発行価格額面金額以上である場合の超過額のことも指した。額面株は平成13年(2001)に廃止

だ‐ぶ【打歩】

うちぶ(打歩)

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精選版 日本国語大辞典 「打歩」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぶ【打歩】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ある貨幣別種の貨幣と両替するときに支払う手数料
    1. [初出の実例]「すずかけ衣うち歩なるらん〈均朋〉 たち出る旅路の秋にきれ小判〈益友〉」(出典:俳諧・大坂檀林桜千句(1678)七)
  3. 同じ額面の二種の貨幣の間に生じる価値の差。
  4. 株式や公社債などの発行価額が、その額面を上回ったときの差。プレミアム。

だ‐ぶ【打歩】

  1. 〘 名詞 〙 証券時価が払込み額面以上であるとき、時価から払込み額面を引いた差額。払込剰余金うちぶ。
    1. [初出の実例]「為替に相当の打歩を徴し来りたるものを」(出典:東京朝日新聞‐明治三九年(1906)七月一日)

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改訂新版 世界大百科事典 「打歩」の意味・わかりやすい解説

打(内)歩 (うちぶ)

(1)江戸時代の土地用語。土地の実際の丈量反別(面積)をいい,実際の石高内高実高といった。これに対して検地帳面記載の公式の反別を表歩,石高を表高といった。表歩より打歩のほうが大きいのが通例である。(2)近代の金融用語。貨幣,外国為替(〈為替プレミアム〉の項目参照),株式,公社債などについて生ずる割増価格(額面超過額)をいう。なお,室町時代にも標準銭(善銭)に対し,悪銭は打歩を付して使用されていた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「打歩」の意味・わかりやすい解説

打歩
うちぶ

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世界大百科事典(旧版)内の打歩の言及

【撰銭】より

…悪銭を選び分け,あるいは拒否して代りの良銭(精銭)を要求することを撰銭という。1銭=1文で流通しない悪銭は打歩(うちぶ)(換算比率)をつけて小額貨幣として流通していたので,適正な打歩を要求する行為,ないしは不当不正の貨幣使用がないか否か,調べる行為をも撰銭といった。【峰岸 純夫】。…

【為替プレミアム】より

…通常,先物為替相場に関して,外貨の先物相場がその直物(じきもの)相場より価値が高い場合をプレミアムpremium(打歩)といい,その逆をディスカウントdiscount(割引)という。また,両者の為替相場が同一である場合は,直先(じきさき)フラットflat,パーparあるいはイーブンevenという。…

【プレミアム】より

…一般的には割増金のことを意味し,打歩(うちぶ)ともいう。この言葉は外国為替,株式市場,保険,商業のそれぞれの分野で使われている。…

※「打歩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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