無総督時代(読み)むそうとくじだい(その他表記)Stadhouderloostijd

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無総督時代」の意味・わかりやすい解説

無総督時代
むそうとくじだい
Stadhouderloostijd

オランダ (ネーデルラント) 連邦共和国において,スタットハウデル (総督) が任命されなかった時期。第1回目は 1650~72年,第2回目は 1702~47年。2世紀にわたる共和国の政治史大商人勢力を中心とする議会派とこれに対立するオランニェ党 (総督派) の勢力交代の繰返しであった。連邦議会国政を指導して総督職を任命しなかった無総督時代のうち第1回目は J.ウィットの指導のもとに共和国が全盛を誇った時期であり,第2回無総督時代は共和国の衰退期であった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の無総督時代の言及

【スタットハウデル】より

…ホラントのラートペンショナリスraadpensionaris(州議会法律顧問)が代表する州権主義の議会派に対抗して,中央集権志向の総督派を率い,両派の抗争が共和国の歴史を彩った。いわゆる〈無総督時代〉(1650‐72,1702‐47)もあったが,フレデリック・ヘンドリック,ウィレム2世ら有能な就任者の下では,その権限が強化された。しかし1795年共和国と運命を共にしてこの官職も消滅した。…

※「無総督時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android