改訂新版 世界大百科事典 「無線ロボット気象計」の意味・わかりやすい解説
無線ロボット気象計 (むせんロボットきしょうけい)
radio-robot telemeteorograph
人里はなれた場所の雨量や風などの気象要素を自動的に測定し,その結果を電波に乗せて遠方に伝送する自動気象観測装置。ロボットという名前が国内の気象観測で初めて使用されたのは,昭和20年代の終りごろの無線ロボット雨量計である。この装置は,洪水による災害を防止するために山奥の雨量を自動的に測定し,400MHz帯の電波を用いて数十kmはなれた場所に伝送するものであった。現在この無線ロボット雨量計はAMeDAS(アメダス)の一部として組み込まれている。また,無線ロボット風向風速計なども製作された。なおブイロボットは海上の気圧,気温,風向,風速などを自動観測し,電波に乗せて遠方へ伝送するもので,無線ロボット気象計の一種である。
執筆者:清水 逸郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報