無縁法界(読み)ムエンホウカイ

デジタル大辞泉 「無縁法界」の意味・読み・例文・類語

むえん‐ほうかい〔‐ホフカイ〕【無縁法界】

仏語法界のすべて。無差別平等の世界
縁もゆかりもないこと。また、その人。
「―の客に身をまかすをもって」〈浮・禁短気・五〉
でたらめ。
帳付けにそのまま―を書くなよと」〈浄・手習鑑

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無縁法界」の意味・読み・例文・類語

むえん‐ほうかい‥ホフカイ【無縁法界】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。法界の一切。無差別平等の一切をこめていった言葉。
    1. [初出の実例]「仏は、常住にして、むゑんほうかひの妙体なれば」(出典:曾我物語(南北朝頃)六)
  3. 縁もゆかりもないこと。また、その人。あるいは弔う親族のない亡者
    1. [初出の実例]「三界を経廻り、無縁法界(ムヱンホウカイ)の客に身を委すを以て流女といへり」(出典浮世草子傾城禁短気(1711)五)
  4. ( 形動 ) でたらめ。めちゃくちゃ。
    1. [初出の実例]「講中奉加場の帳付に其儘、無縁法界(ムエンホウカイ)を書なよ」(出典:浄瑠璃菅原伝授手習鑑(1746)一)

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