精選版 日本国語大辞典 「焼き米」の意味・読み・例文・類語 やき‐ごめ【焼米・糄】 〘 名詞 〙① 新米を籾(もみ)のまま煎(い)り、搗(つ)いて平たくし、殻を取り去ったもの。いりごめ。やいごめ。《 季語・秋 》[初出の実例]「一焼米一紙帋 右物雖二乏少一、人給之料奉進、乞レ垂二領納一、悦歓莫レ極」(出典:正倉院文書‐神護景雲四年(770)九月一日・長江田越麻呂状)「焼米や其家々のいせの神」(出典:俳諧・春泥句集(1777)秋)② 水口(みなくち)祭の供物にする焼いた米。《 季語・春 》 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼き米」の意味・わかりやすい解説 焼き米やきごめ 米を籾(もみ)のまま焙烙(ほうろく)などで炒(い)って搗(つ)いたもの。炒り米。昔は種籾(たねもみ)は、発芽を促すために7~10日間も水に浸(つ)けてから播(ま)いた。厚播きであったし、補植用の種籾も用意したので、大量の種籾の残ることがあった。芽の出かかった種籾は、脱穀して飯に炊いても、まずくて食べられないので、それらを焼き米にして「おやつ」として食べた。保存食料・携行食品としても利用された。また、種播き前の水口(みなくち)祭や、収穫祭に先だつ穂掛け祭には、新穀を籾のままで炒り、田の神に供えることが広く行われた。[井之口章次][参照項目] | 籾 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例