精選版 日本国語大辞典 「焼き金」の意味・読み・例文・類語
やき‐がね【焼金・焼鉄】
- 〘 名詞 〙
- ① =やききん(焼金)
- [初出の実例]「やきかねの色ににほへる山吹ははかりも知らぬ花の色かな〈藤原公実〉」(出典:夫木和歌抄(1310頃)六)
- ② 赤く熱した鉄。烙鉄。
- ③ 熱した鉄などを、牛馬の尻や罪人の額などに押し当て、その跡を焼きつけて印とすること。また、その印。かねやき。かなやき。火印。烙印。
- [初出の実例]「我が面にやきかねをあてられた様な事もあるほどに」(出典:史記抄(1477)一〇)
- ④ 鍼術で、瘡(そう)の中などに入れ、腐肉を除去するのに用いる、灼熱した鋼鉄製の小さい鍼(はり)。
- [初出の実例]「其他流血を止るには、烙鉄(〈注〉ヤキガネ)を以て創瘢を灸る」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五)
- ⑤ 火災などで焼けた金銀。
- [初出の実例]「死人の腰につけはだへにつけたる金銀をはづしとり、その焼金(ヤキカネ)をもち出てうり代なす」(出典:仮名草子・むさしあぶみ(1661)上)