熊木川
くまきがわ
鹿島郡の北部、鳳至郡との境に聳える別所岳(三五八メートル)を水源とする二級河川。延長約一一キロ。別所の中央を南流して西谷内に至る。ほぼこの地点で相前後して河内川・西谷内川・鳥越川が合流し、流れは東に変わる。中流で免田川・大谷川が合流し、浜田に至って七尾西湾に注ぐ。
意富加羅国の王子都奴賀阿羅斯等命(日本書紀)が海から矢を放ち、熊木川をさかのぼって宮居を定めたという伝承がある。「万葉集」巻一六に収める能登国の歌に「梯立の 熊来のやらに 新羅斧 落し入れわし」と詠まれた「熊来のやら」もこの川筋の沼沢といわれ、同じく「熊来酒屋」の歌も無縁ではない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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