国指定史跡ガイド 「熊本藩主細川家墓所」の解説
くまもとはんしゅほそかわけぼしょ【熊本藩主細川家墓所】
熊本県熊本市にある墓所。1632年(寛永9)に熊本城に入り、肥後の過半を占める領主となった細川氏の墓所で、横手(上北岡)の妙解寺(みょうげじ)跡と黒髪(立田)の泰勝寺(たいしょうじ)跡の2ヵ所に所在。妙解寺は細川光尚(みつなお)が父細川忠利の追善のため、1642年(寛永19)に建立した臨済宗の寺で、現在は山門・塀・石橋など建物の一部を残すのみで廃寺となっており、墓域は寺の背後の山にある。泰勝寺は1611年(慶長16)に細川忠興(ただおき)が父幽斎(藤孝(ふじたか))の追善のため小倉(豊前国)に建立したもので、いったん八代(やつしろ)に移されたが、1637年(寛永14)、現在地に移され、五祠堂・山門・塀を除いて明治維新後、廃寺になっている。この2ヵ所の墓所は、54万石の領主であった大名にふさわしく大規模で、かつ霊廟建物が多数残っており、封建時代の主従関係のあり方をもよく示していることなどから、1995年(平成7)に国の史跡に指定された。妙解寺跡へは、JR鹿児島本線ほか熊本駅から熊本市電「祇園橋電停」下車、徒歩約10分。泰勝寺跡へは、JR鹿児島本線ほか熊本駅の熊本交通センターから産交バス「立田自然公園入口」下車、徒歩約10分。