熊野松神社(読み)くまのまつじんじや

日本歴史地名大系 「熊野松神社」の解説

熊野松神社
くまのまつじんじや

[現在地名]益田市中島町

旧村社。主祭神は伊邪那岐命・伊邪那美命。社伝によれば、元亀二年(一五七一)美濃国の高辻年足が外征の際苦戦に陥ったが、熊野大権現に願をかけ危急を救われ、後年津和野城主の家臣となり、吉見氏の転封に伴い古高津こたかつに住む。このとき熊野大権現の神霊こえ峠付近に勧請したが、慶長一四年(一六〇九)の大水で熊野堂内の神鏡を流失。同一六年神鏡が発見された場所の若松わかまつの麓に若松二本社を造営し熊野松神社と改称。寛永一八年(一六四一)熊野本宮より神霊を勧請。熊野松はその後しだいに繁茂し、浜田藩儒小野御野の門人斎藤秀満(三隅)は本居宣長のもとへ熊野松の絵図を送った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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