燈心亭(読み)とうしんてい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「燈心亭」の意味・わかりやすい解説

燈心亭
とうしんてい

大阪府三島(みしま)郡島本町水無瀬(みなせ)神宮にある茶亭。寄棟造茅葺(かやぶき)屋根に覆われた田舎(いなか)家風な建物で、後水尾(ごみずのお)院より下賜されたと伝えられている。ほぼ三方に縁(えん)が回り、背面だけは土間庇(ひさし)が形成されている。茶室は三畳台目(だいめ)、正面に奥行の浅い床(とこ)と違い棚を並べ、天井は一面の格(ごう)天井で、書院造の構成と格式を保っている。天井の格間に葭(よし)、萩(はぎ)、蒲(がま)など灯芯(とうしん)になる材料を張り詰めており、亭名はそれに基づく。腰障子の水引飾りの意匠は後水尾院好みの図案である。書院造が巧みに草庵(そうあん)化された、貴族社会における茶の湯の姿を示す貴重な遺構である。

中村昌生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む