家風(読み)かふう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

家風
かふう

それぞれの家族の生活の歴史に根ざした生活様式,生活態度家祖家長の出身地,職業,社会的階層,教養などから形成される生活慣習が自然に積重なって,日常生活の些細な習慣から,一般に生活態度に関しての特色をなすにいたったもの。家長中心で家の継続が重視されるときには,単なる生活慣習にとどまらず,家族の生活を律するものとなり,家族に対して倫理的な掟を形成するようにもなる。このような家風の重視は,近世の武家や,上層階級の市民に意識されたものであるが,近代にいたって,家庭生活そのものが家族構成員の共同生活の場としての傾向を強めるに従って,束縛的な家風は消失しつつある。

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デジタル大辞泉の解説

いえ‐かぜ〔いへ‐〕【家風】

わが家のほうから吹いてくる風。
「―は日に日に吹けど我妹子(わぎもこ)が家言(いへごと)持ちて来る人もなし」〈・四三五三〉
家の風」に同じ。
「その芸を試み給ふに、―落とさず優美なりければ」〈続古事談・五〉

か‐ふう【家風】

その家に特有の気風・習慣。その家の流儀や作法など。「家風に合わない」

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世界大百科事典 第2版の解説

かふう【家風】

それぞれの家に世代を超えて受け継がれてきた独自な生活慣習や気風。同じ家の成員はその共有する家風を肯定してそれを誇りとし,婚入や養子入りした新来者に対し,家風への同化を期待した。家風を再組織する必要を感じた中興の祖と呼ばれる家長が家憲家訓の類を成文化することもあった。しかし,そのような場合さえ,家風は決して固定したもの,また,固定しうるものでもなく,新夫婦が老夫婦と交替するとおのずから新たな家風への展開がみられるのが現実の歴史であった。

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大辞林 第三版の解説

いえかぜ【家風】

我が家の方から吹いてくる風。 「 -は日に日に吹けど/万葉集 4353
〔「家風かふう」の訓読み〕 「いえのかぜ」に同じ。 「 -なほ勝れたりとて/続古事談 5

かふう【家風】

その家特有の気風・習慣。 「わが家の-」

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精選版 日本国語大辞典の解説

いえ‐かぜ いへ‥【家風】

〘名〙
① 自分の家の方から吹いて来る風。
※万葉(8C後)二〇・四三五三「伊倍加是(イヘカゼ)は日に日に吹けど我妹子(わぎもこ)が家言(いへごと)持ちてくる人も無し」
② (「かふう」の訓読み) 家の伝統。家の風。また、家の威風。
浮世草子・武家義理物語(1688)三「隼人(はやと)が家風(イヘかぜ)をふかせける」

か‐ふう【家風】

〘名〙
① ある家に特有の習慣やおきて。その家に伝わる流儀。
※菅家文(900頃)一・停習弾琴「知音皆道空消日、豈若家風便一レ詩」
※家(1910‐11)〈島崎藤村〉下「旧い小泉の家風を思はせるやうに」
② 仏教で、宗派の独特な教義。特に、禅宗の各派の独特の教えや気風。門風
※正法眼蔵(1231‐53)弁道話「予かさねて大宋国におもむき、知識を両浙にとぶらひ、家風を五門にきく」
③ 家の作りよう。家の有様。〔庭訓往来(1394‐1428頃)〕

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