普及版 字通 「燎(漢字)」の読み・字形・画数・意味
燎
人名用漢字 16画
[字訓] にわび・やく・あきらか・てらす
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(りよう)。の初形はに作り、木を組んで焚(や)く庭燎(にわび)の形。燎はその形声字。〔説文〕十上に「は柴(さい)して天を祭るなり」、また別に燎を出して「火を放つなり」とするのは、燎原の意とするものであろう。〔書、盤庚上〕「火の原を燎くが(ごと)し。(むか)ひ邇(ちか)づくべからず」とみえる。卜文に、天を祭る祭儀として燎がみえ、用例としては最も古い。
[訓義]
1. 天をまつるまつり。
2. にわび、かがりび。
3. やく、やける、もえる。
4. あきらか、てらす。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕燎 フスブ・ヤク・トモシビ・モユ・タク〔字鏡集〕燎 トモシビ・カハク・ヤク・フスブ・タク・ニハビ・モユ
[語系]
燎(・)liは同声。庭燎の火は明らか、火勢はゆらぎめぐる。繚・・(遼)lyは声義近く、繚はめぐる、は明慧、は明遠の意である。
[熟語]
燎煙▶・燎火▶・燎▶・燎▶・燎薫▶・燎原▶・燎悟▶・燎光▶・燎拷▶・燎荒▶・燎祭▶・燎炙▶・燎▶・燎壇▶・燎徹▶・燎髪▶・燎燔▶・燎眉▶・燎炮▶・燎野▶・燎燎▶・燎猟▶・燎朗▶
[下接語]
火燎・鬼燎・挙燎・原燎・郊燎・高燎・候燎・昏燎・柴燎・残燎・燎・守燎・松燎・晨燎・薪燎・設燎・壇燎・置燎・庭燎・燔燎・百燎・焚燎・門燎・夜燎・野燎
13画
(異体字)燎
人名用漢字 16画
[字訓] ひまつり・やく
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
卜文の字形は、木を組んでこれを焚(や)く形。字形化してとなり、燎はその形声の字。の初形は。〔説文〕十上に「柴(さい)して天を祭るなり。火に從ひ、(しん)に從ふ。は古の愼の字なり。天を祭るは、愼む以(ゆゑん)なり」とするが、字形によって附会したにすぎない。その祭事を掌る官や役所を寮といい、のち行政の各系列をいう。西周の金文に寮人・事寮・大史寮などの語がある。
[訓義]
1. ひまつり。
2. やく、たく、火をたく。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 フスブ・ヤク・トモシビ・モユ・タク〔字鏡集〕 トモシビ・カハク・ヤク・フスブ・タク・ニハビ・モユ
[声系]
〔説文〕に声として(遼)・僚・燎・潦・繚など十九字を収める。明らかなるもの、繚(めぐ)るものの意を含むものが多い。
[語系]
()・燎・繚liは同声。繚は火のめぐるように、ものにまといめぐることをいう。僚・寮も同声。lyは声近く、燎は明慧、遼は明遠、みなの声義を承けるところがある。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報