コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ヤク Bos grunniens; yak

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヤク
Bos grunniens; yak

偶蹄目ウシ科。体長 2.9m,体高 2m,体重 500kg内外。体は黒い長毛でおおわれ,長毛は蹄 (ひづめ) のあたりまで達するほど長く伸びる。角も長く,1mほどにもなる。チベット標高 6000mぐらいの高地群れをつくってすむ。寒さに強く,冬になると風をよけるため谷間に移動する。一部は家畜化され,労用,毛皮用,乳用肉用として使われている。野生のものの数は少く,国際保護動物に指定されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

ヤク(yak)

ウシ科の哺乳類。肩高1.5~2メートル。雌雄とも角があり、体の下面および尾に長毛が密生し、ふつう黒褐色。チベットからヒマラヤ山脈にかけての高地にすむが、野生のものはきわめて少ない。古くから家畜化され、荷役用・乳用。糞(ふん)は燃料に利用される。犛牛(りぎゅう・ぼうぎゅう)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

ヤク

【ぼう】牛(ぼうぎゅう)とも。偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の哺乳(ほにゅう)類。肩高1.6〜1.9m,尾72cmほど。全身柔らかい長毛でおおわれ,野生種黒色。チベットとヒマラヤの標高3600〜6000mの高地にすむ。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ヤク【yak】

体が長毛でおおわれた大型のヤギュウ(イラスト)。偶蹄目ウシ科の哺乳類。チベットとヒマラヤ,中国西部の高地に分布。は体長3.25mに達し,肩高2mを超すものもあり,体重は1000kgほどだが,は小型で体重は雄の1/3くらいである。体をおおう長毛は黒褐色で,角も黒い。高山生で,夏は万年雪のある標高6100mあたりまで姿をみせるが,その他の時期は下方で生活する。雌と子は大きな群れをつくるが,雄は単独かあるいは12頭くらいまでの小群でいて,それぞれ別々に行動し,種々の草や地衣類を食べる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ヤク【yak】

ウシ科の哺乳類。肩高1.8メートル 内外。ウシに似るが、肩が隆起し、体側から腹面にかけて非常に長い毛が生え、尾にも長毛がある。雌雄とも角をもつ。野生種は黒茶色だが、家畜化されたものはさまざま。肉・乳を利用し、運搬用に使う。野生種はチベットと中国西部の4000メートルをこえる高地に分布し、草や地衣類を食う。犛牛りぎゆう・ぼうぎゆう

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤク
やく
yak
[学]Bos grunniens

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。カシミールのラダック県、チベット、甘粛(かんしゅく)省の海抜4000~6000メートルの山岳地帯に生息する。雄は体長2.5~3メートル、肩高1.6~2メートル、尾長80~100センチメートル、体重800キログラムと大きいが、雌では体長2~2.2メートル、肩高1.5メートル、尾長60~70センチメートル、体重300~350キログラムと小さい。雌雄ともに角(つの)があり、雄の角は黒色で長さ80~90センチメートル、雌では小さい。肩は隆起しているが、背はほぼ平らで、体の下面と側腹には50~60センチメートルに及ぶ長毛が密生し、尾のほとんどにも長毛が生えている。体色は、雄は黒褐色ないし暗褐色、雌ではやや淡色を示す。家畜化したものは野生種より小形で、体色も赤、褐色、黒、白、斑(はん)などさまざまである。山岳地帯に群れをなしてすむが、雄と、雌および若獣は別の群れをつくる。日中は斜面で休息し、早朝と夕刻に草などの植物質をあさる。繁殖期は6~11月、255~300日の妊娠期間を経て、1産1子を産む。家畜種は運搬用、毛用、肉用、乳用などに用いられる。[中川志郎]

民俗

野生の黒褐色のヤクは神聖視された。儀礼的に行われるヤクの踊りでは、ヤクは神聖な山の神を表す。ボン教の経典でも、野生のヤクを土地の主とし、天幕をつくるためにヤクの毛をむしったので、土地の主の憎しみを招いたという伝えを記す。家畜のヤクは、荷役に使うほか、犂(すき)を引かせて耕耘(こううん)にも用いる。チベットでは、土地の広さはヤクの耕耘の量で示される。乳用としてもヤクは重要である。そのほか、乾燥させた糞(ふん)は炊事の燃料、毛皮は衣服に利用する。シェルパの人々は、角(つの)はチョルテン(堆石(たいせき)塚)に供える。チョルテンには、死者の名を記した紙を納めてあり、おそらくはヤクの霊もともに供養するのであろう。[小島瓔

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のヤクの言及

【テント】より

…東はチベットから西は北アフリカまで,乾燥地域に広くみられる。チベットでヤクの毛を素材として用いる以外,ほとんどの地域では黒ヤギの毛で織った織布をテント地として使用している。北アフリカなど一部の地域では,ヤギの毛にヒツジやラクダの毛をまぜて使うこともある。…

【ヒマラヤ[山脈]】より

…カシミール人は色の白いコーカソイド型の特徴をもち,インド語派ダルド語群の母語を話す。耕地では,稲,麦類,トウモロコシなどが作られ,豊かな牧野では,羊,ヤギ,ヤクなどの家畜が放牧される。
[チベット文明圏の人々]
 ヒマラヤにおけるチベット文明の世界は,主嶺の北側,チベット高原の縁辺をなす高原,谷間に展開する。…

※「ヤク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

ヤクの関連キーワード奕・役・掖・易・液・疫・益・繹・腋・駅・驛厄・役・扼・疫・益・約・薬・藥・訳・譯・躍シリン(奇林)湖唐の頭・唐の首エル・カブキブラスタギミルラ樹脂カスミノキ八束[町]赤熊・赭熊ヤコブレフヤク戦闘機コモリン岬犛牛・旄牛宮之浦岳四手・垂センブリガルズエヤクスギ契約講

今日のキーワード

隗より始めよ

《中国の戦国時代、郭隗(かくかい)が燕(えん)の昭王に賢者の求め方を問われて、賢者を招きたければ、まず凡庸な私を重く用いよ、そうすれば自分よりすぐれた人物が自然に集まってくる、と答えたという「戦国策」...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ヤクの関連情報