父の恩(読み)ちちのおん

改訂新版 世界大百科事典 「父の恩」の意味・わかりやすい解説

父の恩 (ちちのおん)

俳優追善絵入句集。市川三升(2世市川団十郎)編。美濃判大。2巻2冊。1730年(享保15)2月刊。英一蜂,小川破笠画。書名は〈写し得よ日影も遅々の恩重経〉という2世団十郎の句に拠る。2世団十郎が父初世団十郎の二十七回忌追善のために刊行したもので,追善の和歌,発句,連句,漢詩などを収めるが,むしろ本書の中核は当時の物故俳優65人の舞台姿,追善句,戒名,菩提寺,没年月日,特色などを記した部分で,当時の忌辰録的価値がある。挿絵の一蜂と破笠はともに英一蝶の弟子で,一蜂は66葉を,破笠は彩色刷4図を描く。江戸彩色刷絵本の最初として貴重である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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