牡鹿柵(読み)おしかのき

日本歴史地名大系 「牡鹿柵」の解説

牡鹿柵
おしかのき

「続日本紀」天平勝宝五年(七五三)六月八日条に初出する牡鹿郡建置に先立つ天平五柵の一つである牡鹿柵の造営時期やその位置は不明である。同書の神亀元年(七二四)三月二五日条「陸奥国言、海道蝦夷反、殺大掾従六位上佐伯宿禰児屋麻呂」と記す蝦夷の反乱契機とした神亀元年から五年の間とする説もある。しかし陸奥鎮所・陸奥国鎮所などの防御的な性格の施設は多賀城と地点を異にする土地に求むべきであり、養老―神亀(七一七―七二九)の頃に文献に現れる陸奥国鎮所とは、当時建郡が進行中の宮城県北部の地方にその中核として置かれた柵戸収納の行政的性格の強い複数の城柵であったとする見方に立てば、牡鹿柵の造営時期をさらにさかのぼって考えることもできよう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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